最近読んだ本で「デフォルト・モード・ネットワーク」という言葉を知った。
これは脳科学から生まれた言葉。
人間の脳は、まだまだ分からない部分が膨大にあるらしい。その最近わかった部分が書かれていた。
昔は人間が活動している時に脳は活発な動きをしており、休んでいる時は脳もある程度休んでいると考えられていた。でも最近の研究で、何もしていない時の脳の活動量は活発に人が動いている時と脳自体の活動量はそうかわらないらしい。(5%程度少ないだけ)
僕たちは、休んでいるときに、瞑想状態に入って、これまでの経験や考えや感情を整理して次に何をやったらよいのかを事前に脳内で準備しているらしいのだ。
それがワシントン大学のマーカス・レイクル教授らが提唱した新しい脳機能の名前「デフォルト・モード・ネットワーク」ということだ。
僕はこの学説を読んで、これまで自分の中で立てていたもやもやとした仮説がすべて整理できて腑に落ちたような思いになった。
この学術を簡単に乱暴に訳すなら、脳というものは常に自分が「生きやすく」するためにフル活動している。そしてそれは特に意識が何もしていない時に、よく働くということ。要は、脳は肉体的に休んでいる時もひとしきり考えているということ。
これは実はプラス面だけに働くのではないと僕は思う。
たとえば借金がある人は、常にその返済問題で頭を悩ませている。不安な気持ちをずっともち続けているという状態。
そういう状態では、脳はこのデフォルト・モード・ネットワークになった時、その不安を解消すべき事をフル活動して考える。
しかし、借金が膨らむ人というのは計画無しに借用するので、その問題解決の策がほとんどない。
要は答えが無い問題を脳に解けと命じているのと同じではないか。
答えが無い問題を解いていく中で、さらにこの問題が重要であることだけが助長され意識された脳にもフィードバックされる。
そして最悪な場合は、その問題解決の答えとして「命を絶ってこの世から消える」みたいなものが出てきたら、意識もそれに従う、みたいな事が起こるのではないかと思う。
脳は常に未解決、欠如された自分にとっての問題を解決しようとしている。なぜならそれが自分という生命が「生きやすく」なるためだから。
ビジネスにおいても仕事は出来る限り先送りにしない方がいい。出来る事は出来るものから出来るだけ処理して、解決しておく方がいい。
問題が数多くあると、このデフォルト・モード・ネットワークという働きは考えなくてもよい事に仕事を費やす。
逆に出来るだけやり残した仕事がない方が、これから先の未来の有意義な思考にデフォルト・モード・ネットワークは動くはずだからだ。
何もしていな時にでも、脳は働いているって、やっぱり人間は凄いな。