都会のワンシーンから見えるもの

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最近facebookの友達申請をしてくれたTさんという女性がいる。

数年前に懇意にしていた社長の側近をしていた人だ。

彼女からメッセージが来たとき、数年前のあるシーンが蘇った。

僕がその社長の会社を訪問した時、地元名所を車で案内して貰った。助手席には社長がいてTさんが運転をしていた。走行中に社長に電話が掛かり応対している時に、その社長が話す合間に少し咳き込んでいた。

電話が終わった瞬間に、そのTさんは自分の社長にのど飴を運転しながらも差し出した。社長の咳は同乗していた僕もその他の者も気付かない程度のものだったけど、「風邪ですね」とTさんは一言付け足した。その社長も意外そうに「よくわかったな」と短く笑って答えた。

なんでもないワンシーンだけど、それだけでTさんと社長の信頼関係がわかる。そして、Tさんがそのようなので、きっとこの会社の従業員みんなにこの社長は慕われているんだろうという想像が膨らんだ。

のちのその会社の食事会に招かれた時、僕の想像が当たっていたことが確認できた。

近所のお気に入りのラーメン屋にいつも行く。

そこは留学生のような若い女性がいつも深夜まで働いている。

ジーンズに紺のTシャツという、いかにもラーメン屋の定員とした身なりの少し色黒のアジアンチックな女の子が注文を聞きに来た。

僕の注文を聞き終わりカウンターに行こうとして、その女の子はふとテーブルに目を走らせて、醤油だのソースが入っているケースをテーブルに平行になるようにサッと位置を整えた。

そのケースを正した間隔はわずか1センチほどだった。

そして立てかけてあるメニューの少しの傾きもパッと立て替えてから、カウンターにオーダーを通した。

その時間、わずか数秒だったと思う。

当初見かけから何か大雑把な彼女の印象が、その数秒間で僕の中では全然違う印象に変わった。

神戸の港が見えるホテルバーのカウンターに一組の男女がいた。

しばらく見ていてもあまり会話もせず、短いやりとりで笑顔もあまりない。

仲が悪いのかな、と思っていたら男の方がタバコを取り出した。赤のマルボロの中を探っているけど煙草は出てこない。男はそのうち手の中でマルボロの箱をグシャと潰す。

その時、彼女は不自然ではない仕草で自分のバックから男と同じ赤いマルボロを取り出し、セロファンだけ取り男に手渡す。

男は女に礼も言わず、中の銀紙を向いて1本取り出し火をつけた。

女は一緒にいても1本も煙草を吸わなかった。

普段何気ないその人の一つ行動で、その人(たち)のバックボーンが大きく垣間見える瞬間がある。

そういう時、僕はなにかとても得した気分になる。

しかしその逆を見たときは、とても残念な気持ちになるねぇ。。。

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