自分自身とつながる為の瞑想論(1)

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僕は十代の頃、映画監督と脚本家になりたかった。

習作時代「イメージは実現する」という、今で言う「引き寄せの法則」のはしりなる本を手に入れた。

心に強く思い描くだけで、自分の望むことが現実化することなんてない、と当時の自分はまずは疑った。でもどうしても演出の仕事がしたかった僕は、その本に書かれている事を一つ一つ実行していった。

するとわずか1ヵ月後に、芸能界という世界に入ることが出来て、舞台演出の仕事に就くことが出来た。

この自分でも驚くような体験で、僕は一体この仕組みはどうなっているのだ、という「見えない仕組み」を探し回った。

自分で想い描くことが現実化出来れば、こんな楽なことはない。

様々な宗教に入ってみたり、山で座禅を組んでみたり、山伏のような白装束で山を走ったこともある。

見るからに怪しげなチャネラーとマントラを唱えたこともある。

全然何も思い浮かばないヒプノセラピストの誘導を受けたこともある。

臨死体験にも挑戦したこともある。(これは痛いのですぐ止めた)

とにかく関わり合えるものは片っ端から体験していった。

そして最後に辿りついたのが「瞑想」だった。

30年前くらいは「瞑想」と言ってもネットにも全然情報はなく、やっと辿りついた数少ない瞑想教師が東京にいてコンタクト出来た。

そしてしばらくして神戸にも新しく瞑想教師が誕生したということで、真っ先に入門しに行った。

段階ごとにマントラを貰い、心の奥深い部分に入るオーソドックスな瞑想だった。数年その女性講師の元で学んだが、彼女が結婚することになり彼女の元での瞑想はそれで終わった。

その後、独学でその瞑想を色々とアレンジしながら続けていった。

なぜ続けることが出来たかと言えば、瞑想を続けていくと実際はっきりとしたビジョンが見えたり、閃きのようなものを得たりしておもしろかったからだ。

瞑想でまず大切なのが、心の「抑圧」を解放するということをする。よく言われるブロックというものだ。

まずはそれを押し殺すのではなく、僕の教えて貰っていた教師は「ゴミは流してください」と表現していた。押さえつけるのではなく、ただそういう事もあったなぁ、とどんどんと流していくのである。

そして、苦しいことや辛いことを思い出しても「そういうこともあったけど、それを乗り越えてきたので、俺って凄いじゃん」と、自分を褒めたり感謝する。

これをしていると、内面がクリアになって「空」(その瞑想では超自我をそう呼んでいた)に辿り着き易くなるという。

そういうことを続けながら、色んな書物を読んでいるうちに、そういうブロックは乳幼児期の母親との関係性の中で起こりやすいことがわかった。

それを乳幼児期の母親との親和充足というらしい。親和充足とは、笑顔の交信やスキンシップによる安心感のこと。これが欠如した場合、子供は親和不全(怯えに近い不安)に陥る。

赤ん坊にとって母親は絶対存在なため、親和が得られないのは自分のせいだと「自己攻撃」をして、自己の欲望や期待を抑え込んでしまう方向に進む。

そして、母親から与えられる規範観念(ああしなさい、こうしなさい、それはダメでしょ等言われること)にひたすら従属するようになる。

己の欲望や期待を封印してしまった子供は、当然性欲も封印することになる。ひたすら観念に収束するため、体が求めるものを頭(観念)で押さえ込むからだ。そして頭と体の断絶状態になってしまう。

つづく

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