恋愛関連

事実は小説よりも奇なり、そして風と共に去りぬ

(お話しは前回よりつづく)

麻衣子ともう一人の彼女が僕の部屋で鉢合わせになっているのは間違いありません。僕は事前にそのことを幸運にも知ることが出来たので、その夜は自分の部屋に帰らないという選択も出来たのです。

ですが物書きを目指そうという人間は(まあ僕だけかもしれませんが)未知なるものが目の前にあり、それを想像すればするほどそれを自分の目でどうしても確かめたくなるのです。無性に我慢が出来ず。

「これは地雷ですよ」と教えて貰えれば、本当にそれがそうなのか踏んで確かめたくなるような気質です。(この性癖のため幾度も痛い目に合ってます)

僕は起こり得るすべての状況を想像し、それに対する対応を自分なりに考えました。

その結果、二人が出会ってからすでに6時間ほどが経過している。顔を見合わせた時は二人共感情的になるかもしれないが、その顛末の末、時間的にどちらかがすでに家に帰っていると僕は結論を出しました。僕の部屋にいるのは一人。

僕がドラマを描くなら、そういう流れになります。

そして勇を決して自室のドアを開けました。そこには一足のローヒールの靴がきちんと置いてありました。僕の想像は当たりました。

と、思って部屋に入った瞬間「あッ」となりました。

二人が並んで僕のベッドに座り、僕の方を見てキチンと座っていました。

僕の想像負けです。

そして僕が玄関で逃げ出さないようにする二人の作戦勝ちです。

僕は観念して(ある程度事前にそう思っていた)、二人の前に正座しました。暫くの間沈黙があったと思います。

そしてしばらくして麻衣子が静かな声で、

「これからどうしようと思っているのですか?」

と僕に聞きました。

全く間の抜けたことですが、その時僕は「わからない」と言ったのです。それは嘘ではなく、本当に心の底から思っている気持ちでした。

そしてまたもや麻衣子がさっきと同じような声の調子で、

「わかりました。それなら私たちで決めさせて貰います。今日は遅いので帰ります」

と言うと二人して僕の部屋から帰って行ってしまいました。僕は拍子抜けしたのと同時に、身体が物凄く緊張していたのだという事に気が付きました。その日のそれ以降の事は、この瞬間のインパクトが強烈過ぎたので全く覚えておりません。

1週間二人から連絡はありませんでした。その1週間というのはとても長く感じました。そして丁度1週間目に麻衣子から連絡が入りました。仕事が終わったらクレッセントに来て欲しいとのことでした。クレッセントというのは僕たちがよく使っていた遅くまでしている喫茶店です。

僕は仕事を終えて、まるで最終判決を受ける被告人のような心境で待ち合わせの場所に向かいました・・・

つづく

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