北の国から

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深夜、CS放送で「北の国から・遺言」を再度観る。

見るというよりは、また観てしまったという感じ。夜食中チャンネルを回すとあの田中邦衛扮する五郎が口をへの字に曲げて出てきた。

シーンは雪の富良野。

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これはまた絶対最後まで見てしまうだろうなぁ、と思い観ていると案の定その後3時間を観てしまう。

3回目となるシリーズ最後の「遺言」でまた感動した。

「北の国」は脚本家の倉本聰さんが1977年に富良野に移住し、そこで出会った人々をモチーフに書いたドラマです。

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遺言の作中、材木商の社長の奥さんが癌で亡くなるというシーンも富良野で出会って倉本さんが親しい友達となった材木商社長の奥さんの死を、本人に承諾を貰い挿入したそうだ。

中畑の妻みずえは末期のがん。それを知った五郎は、結婚を控えた中畑夫婦の愛娘すみえの新居用に、廃品を使った「拾って来た家」を建てる。みずえの急な死に衝撃を受けた五郎は、純と蛍への遺言として〈金なんか望むな。倖しあわせだけを見ろ。〉、〈自然から頂戴しろ。そして謙虚に、つつましく生きろ。〉と書く。

シリーズ冒頭から五郎の息子、娘役で登場していた吉岡秀隆と中嶋朋子も21年間通して出演する。最初はほんと小学生だった二人の成長を見守って続いてきた作品だ。

このドラマには日本人の本質である「謙虚さ」「思いやり」「悲しみ」「優しさ」というものがふんだんにある。見るたびに日本人として備わっているDNAが共振・共鳴を起こし感動するのだろう。
作中、五郎は「お前が死んだ後の事を思って遺言を書け」と勧められる。言われた通り筆を取り、子供、孫のことを思って墨を進めると涙で書けなくなる五郎。。。

「死」を見つめると、今の大切さがわかるのだ。

遺言

「純、蛍、オレにはお前らに残してやれるものは何もない。 でも、お前らには残すべきものは、もう残した気がする。 金や品物は何も残せんが、残すべきものは伝えた気がする。

オレが死んだ後の麓郷はきっと何も変わらないだろうな。きっと以前とおんなじなんだろう。 金なんか望むな。仕合わせだけを見ろ。ここには自然だけはある。

自然はお前らを死なない程度には十分毎年食わせてくれる。 自然から頂戴しろ。そして、謙虚に、慎ましく、生きろ。それが父さんのお前らへの遺言だ」

まだご覧になっていない人は、時間のある深夜にぜひどうぞ。

「北の国から 2002遺言」(2002年)

「北の国から」(フジテレビ系)は、高視聴率を誇り、「国民的ドラマ」と評された。1981年10月から82年3月までは連続ドラマ編、83年から断続的にドラマスペシャルが放送され、その最後が「2002遺言」。東京から故郷の北海道・富良野に戻り、大自然の中で暮らす黒板五郎の一家を描く。主役の五郎役は田中邦衛。息子・純、娘・蛍は吉岡秀隆と中嶋朋子が子供時代から成人までを演じた。五郎の親友の中畑和夫役には地井武男(2012年死去)が扮した。


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