死生観(2)

ここ数ヶ月の間に、親しい二人の生死を体験した。

一人は13年間様々な思い出を一緒に作ってきた親友荒木さんの死と、事故で骨折し大手術を3回繰り返し、最後には危篤状態となったけど再度この世に復活してきた母親だ。

僕の親友荒木さんは享年60歳。

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母親は83歳。

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人間の年だけからみれば親友の荒木さんが病気から回復し、母親が寿命尽きてもおかしくないのだけど、そうはならないのが人生なんだと不可思議に思ったりして、また深く考える。

そこから思うのは人間が天命するには単なる物理的時間は関係ない。その人が魂レベルで課した事柄が全う出来た時に命のスイッチは魂がオフとし、まだの場合は現実的に不可能と見える状況からでも命はリセットされる。

では突発的に起こった災害や事故により突如途絶えさせられる命というのはどうなるのだろう。これも僕流に考えれば、その魂は死して何かのメッセージを世間に送り全うするべき使命で生まれてきた命ではなかろうか、と。

親友荒木さんを回顧してみると、普段けっして仕事の愚痴や弱音を吐くような処は見せなかった。自分から口にすることはなかったけど、時折僕が仕事の事を聞くと話してくれたことがある。

塗料会社の営業と肩書きにはあったけど、従業員が目減りしてきたこともあって仕事内容は現場での作業が多かったと思う。朝は5時に起きて、6時には商材の塗料をトラックに荷積みする。塗料といっても建築現場用の塗料なので一斗缶を2トンのトラックに積み込むだ。僕も若い頃そんなバイトしたので、その重労働は想像出来る。

時には腰に負荷が掛かり、痛めていた時期もあった。

荒木さんという人物は、出逢った最初から少年のような人だった。それは最期まで変わらぬ僕の中での印象だ。時には僕が教えることを、生徒のように素直に聞くことも多かった。

荒木さんの魂はまだ若いのだ。だから今世の彼の課題は、何か物理的に苦しいことを最後まで投げ出さず全うする、ということを課題においてきたのではないかと推測する。

だからこそ今年定年退職を待っていたかのように天命して逝った。そして次なる課題へと自ら進んでいったのだ。若い魂というのは経験することが多いから。

その反面母親は危篤状態となり、病院から深夜に呼び出されたにも関わらずこの世に戻ってきた。そして今は意識もはっきりして、リハビリの先生に悪態をつきながらも生きようとしている。

母親の場合は、まだこの世で学ばなければならない事が残っている。だからあの世から追い返されたと思っているし、実際母親にそう言ってやった。言われても「そうか」とニヤリとしてタフさ加減を見せている処を見れば、まだまだ素直に学習し切れていないのだ。

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人はこの世に生まれ出ることを宿る命と書いて「宿命」という。

そして魂がやるべきことを終えて天に還ることを「天命」という。

「宿命」と「天命」の間を歩む道を「王道」という。王道とはつまり、その人が歩むべき進むべく正しい道という意味。

王道を歩いている間は、多少の困難ごとが起こってもそれは克服出来る。それは修行であり試練だから。逆に王道を逸れて歩んでいる時に起こる障害は、どうもがいても越える事は出来ない。「その道は違う」というメッセージだから。

よって人はそれぞれ自分が決めた「王道」を歩む必要がある。というか歩まねばならない。そしてその歩む行為を命を運ぶと書いて「運命」という。

では今歩んでいることが王道か否かという判断基準は何かと言えば、心から今をワクワクして楽しめているか否かである。感情というのは魂からのメッセージだからである。

こういう死生観はあくまでも僕個人の持つ概念のみで、それを確認することは生きている間では出来ない。人は生きている間はけっして「死」というものは結局のところ体感して理解出来ないものなのだ。

と、思っていた。

これは以前の記事にも書いたことだけど、臨死体験をして死後の世界を見て来たという人がいる。木内鶴彦さんという天文学者で、これまでに臨死体験を3度もしたということで書籍も出版し講演会なども行っている。


奇しくもその木内さんの大阪での講演を聞きに、荒木さんと一緒に行ったのだ。そしてその講演会の最中に、母親が転倒し最初の骨折して大手術をすることになった。

思えば不思議な偶然の出来事だったと今にして思う。

いずれにせよ「死」というものを考えれば考えるほど、「生きる」ということが見えてくる。そして今しなければならない事、余計なことなどしていられないという生きる上での良い意味での焦りが起こる。

誰の身にも必ず訪れる「死」というものを、日常的に考えて生きるという行為をより濃いものにしたいと改めて思ったここ数ヶ月での出来事だった。

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