あんたと一緒に、もっと生きたい!

最近、僕は毎日病院通いをしています。と言っても僕自身が体調が悪い訳ではなく、母親が先月に骨折事故を起こして入院したからです。

骨折したのは先月の27日でした。このノートでも書きましたが、木内鶴彦氏の大阪公演が行われ、僕が参列している同時刻に自宅ベットから転落して骨折したのです。そして手術を要する結果となりました。

症状は。右大腿骨頸部骨折。
手術方法は人口骨頭置換術。

右足の間接に、人工関節を埋め込むという手術で、この手術はすでに9月1日に行われ無事終わることが出来ました。

僕の母親は神戸の西代という土地に生まれ、そして育ちました。5人兄弟の長女ということで妹や弟がいたらしいのですが長男を残して震災やら病気で亡くなっています。

僕の母親は早く言えばお嬢様育ちで、かなり好き放題に学生時代も過ごしたようです。母親(僕のお婆さん)が尼となり、今のお寺を作りました。その人もやり手だったらしく、檀家の人たちもかなり居たようです。そして家には始終多くの人が出入りする賑やかな家だったと言っていました。でも母親はそんな見知らぬ人が大勢来るような環境は嫌いだったらしく、その辺に置いてある自転車で外をぶっ飛ばすようなお転婆だったらしいですね。

そのお嬢様度もかなりのもので、結婚するまではお米はお金を出して買うものだと知らなかったらしいのですね。お米は家の蔵に果てることなくあったらしい。お金というものは誰かが常に家に持って来てくれて(お布施)、箪笥を開ければそこにはいくらでも「ある」ものだと認識してたようです。(ようやるわ)

そんなお嬢様育ちのお袋が父親と駆け落ちして一緒に暮らすようになった時は、さぞ混乱して苦労したことだろうと思います。母親は家出同様に結婚したので、実家にはそれ以来40年も帰らず、父親の死も母親の死にも立ち会わなかったという、恐るべき頑固者でもあったのですね。

自分がそんな好き放題してきた性格なので、僕ら子供を育てるのも僕たちの好き放題にして貰えたのだと思います。それが原因で僕も仕事も自由にして来られたのだと思います。何かを強要するような育て方なら、また違った人間形成が出来ていたことだろうと思います。今ではそういう育て方をされたことに感謝しています。

しかし、年をとるにしたがって足腰が弱り家に閉じ篭りかちになりました。人間、人と接せず閉じ篭るというのは良いことではありません。まずは性格が変わります。何事も悲観的に考え、ネガティブな方向にいってしまいます。

そして最近では特に「わたしは十分好きに生きて来た、だからいつ死んでもいい」というようなことを悲観的に口癖にするようになっておりました。

ところが、、、

生まれて初めて病院というところで手術をすることになり、生まれて初めて入院という経験をしたことで彼女の性格が大きく変わりました。僕も予期せぬことでした。

家での一人の生活と違い(僕はそれまでほとんど大阪暮らしだった)、多くの医者、看護師、リハビリの先生などに入れ替わり立ち代り世話をして貰ったことで、先日「私は本当に人に感謝する気持ちを忘れていたわ」と言いました。

一人では立つこともトイレに行くことさえ出来なくなり、他人の世話によりこれまで当たり前に出来ていたことが出来なくなって、大切なことを思い出したのでしょう。

自分がいるからお前(僕)の足枷となっているので、もう死ぬほうが言い、とまであれほど言っていたのに、先日見舞いに行った時僕に、

「あのな、お前とあと2年でも3年でも一緒に生きたい」

と言ったのです。

「だから私、リハビリの先生のいう通りがんばって早く家に帰る」

とも、これまでにない生気を持った言葉でそう言いました。

人間とは愚かなもので、無くしてはじめてその無くしたものの重要さを知ることもあると思います。でもその重要さを知るメッセージは常日頃から、何かの形で私たちの目の前に現れてくれているのですが、悲しいかな自分のエゴで気が付かないのです。

それを今回は、母親の守護霊さんたちが少々痛い目に合わせて気付かせてくれたのだと思っています。そう思う原因には、事故当時、本来僕は大阪に出ており、普通なら講演をした講師と一緒に食事出来るものを断り、不思議と早くに帰宅したのです。だから早めに骨折した母親に気付き、緊急入院出来たのでした。

それにその時に探した病院はこの8月に新設した、最新の病院のため優秀な医者と看護婦、最先端の医療器具、そして腕のよいリハビリの先生がたくさん集まっている最高の環境だったのです。そんな入院待ちの人気病院にもタイミングよく退院した人がその日にいて、入れ違いに緊急でも入院出来たのでした。

まさしく起きた事象は悪くとも、その後の事後処理は最良のものなのです。そして母親の精神的な部分も、正反対に元気になれました。

そして今では医師も驚くほどの回復振りを見せています。

まだ寿命があるのに自分勝手ばかり言ってる母親を解らそうと、さぞ守護霊さんたちは苦労したことだろうと思います。

でもわかってくれて本当によかったと思います。

僕もまだまだお袋とは一緒に暮らしたいから。。。

多くの病院の関係者の方々、ありがとうございました。

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